会員登録不要!

ミドルシニアお仕事ナビは、7月31日に「ミドルシニア人材活用のための人事制度・労務」のセミナーを実施。その内容をまとめました。

■ミドル・シニア層の活用が重要になるワケ

現在、労働力人口は減少しています。しかし、労働力人口の中で最多割合を占めるミドル・シニア層は育児や介護、子育てなどによって制約を抱え、仕事にフルコミットできない従業員が増加傾向にあります。一方、若手社員はというと「残業も少なく、平日でも自分の時間を確保することができ、趣味などに時間が使える職場」を好む傾向にあります。こういった状況の中では仕事にふるコミットできる、シニア層の活用というのが、今後の人事戦略を考える上で、重要な点と言えるでしょう。実際、ノジマを例にみても、80歳まで働ける制度を導入することで、労働人口の減少を補うとともにベテラン社員のノウハウを活用しつつ、若手社員の育成を実現しています。

■雇用保険改正によるシニア層の労働変化

令和3年4月から「高年齢者雇用安定法」において、65歳から70歳までの高年齢者就業確保措置の導入が企業の努力義務になります。その中で①定年廃止②70歳までの定年延長③継続雇用制度導入④他の企業への再就職の実現⑤個人とのフリーランス契約への資金提供⑥個人の企業支援⑦個人の社会貢献活動参加への資金提供の7つの選択肢が示されます。また、労働法や年金制度が変更されていく中で、シニアの賃金制度をどうしたら良いかが今後の課題になっていきます。中でも同一労働同一賃金ガイドラインによって、正社員でも契約社員でもアルバイトでも契約形態に関係なく、待遇を同一にするということが制度で決まっており、企業の大小に関わらず、賃金を縮小させることは難しいとされています。

一方、ミドル・シニア層の成果と処遇について、業務内容、成果、貢献に比べて賃金が見合っていない労働者は、20〜30代に比べて、40〜50代が圧倒的に多く存在します。そう言った背景において、ミドルシニア層のモチベーションの低下原因として①長期の滞留、昇格の頭打ちの閉塞感②立場の逆転③処遇の低下④疎外感、ITの発達が挙げられています。そのためミドルシニアの活用としては、人事制度の見直しはもちろん、キャリアの自立支援、職域拡大・多様化、ノウハウの経験値といった部分も人事担当者は考える必要がありそうです。

■新型コロナウイルスによる労働市場の変化とミドルシニア

新型コロナウイルスの影響を受け、労働市場は大きな変化を遂げようとしています。そもそもコロナ以前から、大企業の中途採用の活用は大きくなっていました。キリンホールディングスの磯崎社長によると「これからは外部から中途採用した人材が5割になっても構わない」と述べ、さらにトヨタも中長期的に中途採用を採用において5割を占めるようにするといった方針を表明しています。つまり、背景として緩やかに中途採用へと多くの企業がシフトし始めていたことに加え、新型コロナウイルスの登場で、中ば強制的にシフトしたわけです。

また新型コロナウイルスは、求人業界にも大きな影響をもたらしました。今、有効求人倍率が急降下しています。2020年(令和2年)6月の有効求人倍率(季節調整値)は、1.11倍。2019年(令和元年)12月の1.68倍以降、6ヶ月連続の低下となっています。参考として、リーマンショック時の有効求人は1年間降下していました。しかし今回のコロナの影響の方が景気へのダメージが大きいと言われているため、より長期的に有効求人倍率が下がっていくことが予想されます。

さらに、世界全体での事業の変化の切り口で見てみても、現在あるサービスは縮小するサービス、拡大するサービスに分かれていきます。例えばリーマンショックによって投資銀行など景気によって左右される企業は事業縮小のためにエンジニアを解雇し、その解雇された優秀なエンジニアは、GAFAなどのテクノロジー企業に雇用され、成長を加速させました。

このように企業の採用の流れはコロナに大きな影響を受けています。このような状況下で、採用戦略を考える際には、専門性を持った人材が多く、若手よりも転職への心理的ハードルが高いミドルシニア層の獲得が要になりそうです。